1年生の長女Kが小学校で国語賞(Certificate of Award for Language Arts Recognition)をもらいました。アメリカですから、「国語」とは英語のことです。以前に担任のミセス・ビーから受賞すると耳打ちされていましたが、本当に受賞できてよかったです。
表彰式は朝礼を利用して行われました。同じ朝礼でも、日本の朝礼とは似ても似つない、開放的な雰囲気でした。親は自由に出入りできるし、写真撮影も自由です。会場の外には、保護者が寄付したコーヒーやクッキーのコーナーも。
余談になりますが、2月13日付で書いた「小学校は公共施設」という考え方があるからでしょう。児童を自由に写真撮影できるとなると、悪用される恐れもあります。校長のミズ・アローチャは「小学校は公共のもの。リスクを取ってでも規制はできるだけなくしたい」と考えたのだと思います。
さて、表彰式が行われたのは、先週の金曜日(3月20日)の朝。事前に知らされていたので、おじいちゃんもカメラを持参して参加。各クラスで6人ほど受賞対象になり、分野は国語や算数のほか「シチズンシップ」もありました。シチズンシップは協調性などを意味しています。
Kのクラスで受賞したのはKも含めて6人。クラス全体で20人程度という点を考えると、年間ではクラス全員が受賞しそうです。特定の児童を表彰するというよりも、児童全員にインセンティブを与えることが目的なのでしょう。
とはいえ、表彰式の直前にもらった第2学期(年間で3学期)の通知表で国語の成績を見てびっくり。リーディング(読み)は9項目あり、全項目が最高評価の「E(Excellent)」。ライティング(書き)でも4項目すべてが「E」。文法は3項目のうち2項目で「E」、1項目で「E]に次ぐ「S(Shows appropriate development)」でした。オールEへあと1つ、というわけです。
第1学期では、「E」はリーディング、ライティング、文法それぞれで1つずつ、つまり全部で3つだけでした。しかも3つの「E」評価はそろって「努力」項目。努力して頑張っているという項目に限って「E」だったのです。英語のABCも知らなかったのだから、当たり前と言えば当たり前の結果です。
第2学期の通知表の最後には、担任のミセズ・ビーから手書きのコメント。「Wow! What a fantastic little girl!(すごい! なんて素晴らしい女の子なんでしょう!)」。
娘が大きな困難を乗り越えて達成したことなので、もう少し詳しく書いてみたいと思います。国語では「BPST(初歩的なつづりや発音の能力テスト」「ハイ・フリークエンシー・ワーズ(よく使う単語)」「リーディング」の3分野あります。
まずはBPST。1年生の終わり(つまり6月)までに60点の達成を求められます。Kの場合、第2学期の終わりである2月の時点ですでに78点。1年生終わりのレベルをすでに達成しています。
次に「セイ(say)」「ウィー(we)」「キャン(can)」などのハイ・フリークエンシー・ワーズ。1年生のうちにマスターしなければならないのは全部で100語。一般には2月までに最低でも50‐60語を覚えなければならなりません。Kの場合、2月時点で98語を達成。
最後にリーディング。1年生の終わりまでにレベル6、アキュリシー(正確さ)で95%以上、フルエンシー(流ちょうさ)で最低60語(1分間に読める単語数)の達成が求められます。Kは2月時点でレベル6、アキュリシー100%、フルエンシー84語でした。
半年余りでここまでこれたのは、Kの頑張りがあるのはもちろん、語学に強く、同時通訳もやっていた母親のDNAを受け継いだのか……。とにかく、涙の毎日だった9月が遠い昔のように感じます。わが子ながら、あっぱれです。
ちなみに、第2学期の算数の成績はどうだったかというと、平均的な結果でした。13項目中で「E]評価は1つだけ。しかもその「E」は「努力」項目でした。
かつては「日本人が海外へ行くと、語学では負けるけれども、語学に影響されない算数・数学ですばらしい成績を収める」と言われたけれども、それはKには当てはまらないようです。蛇足ですが、わたしも妻も数学は苦手です。
素晴らしい…
Kちゃん自身の潜在能力もあるのでしょうが、子どもの柔軟さ・順応性というものを感じます。これからも伸びていってくれるといいですね!
投稿情報: S | 2009年4 月 1日 (水) 15:24
本当に子供の能力には驚くばかりです。最近は、週末になるとクラスメートのキアナと一日中遊ぶことが多く、必要に迫られていろいろな表現をどんどん吸収しています。
たとえば「よかったら食べてもいいよ(You could have it if you like)」といった表現がすらっと出てきます。「could」は、日本なら高校生になっても使い方がなかなか分からない言葉です。
投稿情報: Yo Makino | 2009年4 月 1日 (水) 17:37
なるほど。場面に応じた言い回しをどんどん吸収しているんですね。年齢的にも、そういうことを吸収する時期とはいえ、ご両親の(ご家庭での)日常の言語表現の豊かさが素地としてあったのではないでしょうか。
投稿情報: S | 2009年4 月 8日 (水) 04:44
さすがKちゃん。
日本にいるときからすごく吸収力があるなぁって思っていたので、やはり開花しているのですね。
嬉しいです。
牧野家にまた会える日をすごく楽しみにしています。
投稿情報: Oyobe | 2009年4 月15日 (水) 16:48
ありがとう。娘に言っておきます。
投稿情報: Yo Makino | 2009年4 月16日 (木) 10:00