2月9日の月曜日は目が回る1日でした。新聞記者時代も締め切りに追われて目が回る毎日を送っていました。でも、ある意味で、新聞記者よりも子育てのほうが大変といえます。
もともと、この日は日経ビジネスオンライン用の原稿を書いたり、新たに引き受けた本の翻訳に着手したり、いろいろと計画していました。ところが、数日前に次女のMが中耳炎になっていることが判明。病院に連れて行き、保育園を休ませなければならなくなりました。
Mは生後8カ月の赤ちゃん。家で一緒にいたらそれだけでまる1日つぶれます。常時だっこしていなければ泣くし、頻繁におむつを替えたり、ミルクを飲ませたりしなければなりません。新聞さえ読めなくなるほど息つく暇がなくなるのです。
加えて、長女のKの学校はリンカーンデーで休み。もう小学校1年生だから何でも1人でできるようになってきたとはいえ、やっぱり相手しなければなりません。
泣き面にハチだったのは、妻の授業がぎっしり詰まっていて、午前中しかあてにできなかったこと。午後1時から数時間、続いて夕方から夜まで不在で、夜10時過ぎにならないと帰宅しないのでした。妻の助けなしにざっと10時間もやりすごさなければならなくなったのです。
母乳という”武器”を持たずにゼロ歳児と長時間付き合うのは、相当な苦労が伴います。正直、途方に暮れてしまいました。原稿や翻訳のことが気になりましたが、忘れようと努力しました。
朝、行きつけの小児科に電話。リンカーンデーだから、ひょっとしたら休診日かもしれないと不安になりましたが、大丈夫でした。ありがたいことに、その日の午前中に診てもらえることになりました。
Mを連れて病院を行き、それだけで午前中がつぶれました。ただ、長男のAはデイケア(米国版保育園)へ行っていたうえ、妻は病院に一緒に来てくれたから、大いに助かりました。妻の助けなしに、ゼロ歳児も含めて3人を病院へ連れて行くのは、想像するだけで気分が重くなります。
さて、正午過ぎに妻が大学へ出かけました。これからどう過ごしたらいいものか……。
とりあえず、薬局で手に入れた中耳炎用の投薬を取り出し、Mの耳に入れようとしました。当然、Mはじっとしていられず、ひっきりなしに動きます。気づいたら、「2滴投与する」との指示を大幅に逸脱し、Mの耳から投薬があふれ出るほど投与してしまいました。Mは「ギャー」と大声で泣き始めました。
Kは「暇だよう~。ねえ、キアナ(近所に住むクラスメート)と遊びたいよう~」と不平たらたら。でも、午前中にキアナの家に行ったら、だれもいませんでした。あいにく、親友のジェニファー(隣に住むクラスメート)も泊まりがけで出かけており、いませんでした。
仕方がなく、半ば強引に「よし、クレアモントクラブへ行くよ」と宣言し、KとMを車に乗せました。クレアモントクラブとは、夫婦で会員になっているスポーツジムのことです。そこでは3時間まで子供を扱ってもらえるのです。
(クレアモントクラブの仕組みはすばらしいです。日本にもこんなジムがあるのでしょうか? いずれこのブログでも、この家族フレンドリーなジムについて書いてみたいです。)
Kは「クレアモントクラブは嫌だ。お友達がいないから。キアナと一緒に行きたい」と引き続きぶつぶつ。そこで「パパは仕事がいっぱいあるから、申し訳ないけれどもクレアモントクラブに行って。できるだけ早くお迎えに行くから」と説得しました。
ただ、中耳炎のMを預かってもらえるかどうか。耳をきれいにして、中耳炎であることを伏せてジム内の託児所へ連れて行くことにしました。「少なくとも2時間はもってほしいなあ」と思いつつ。
午後2時過ぎにクレアモントクラブへ到着。2人を預け、少し汗を流すことにしました。すでにへたり気味だったから、リフレッシュしたかったのです。筋トレをやり、トレッドミルで走り、ジャグジーに入り……。いつの間にか2時間を超えていました。つまり、託児所から呼び出しがかからなかったのです!
クレアモントクラブを引き揚げると、そのままデイケアへ直行し、Aをピックアップ。家ではすぐに夕食です。夕食はスーパーで買ったラザニア。電子レンジで温めるだけですぐに食べられるレトルト食品です。本当はレトルト食品は避けたいのですが、やむにやまれず。
その後、幸いにも、KとAはそれなりに勝手に遊んでくれました。でも、Mはほぼずっとパパ抱っこの状態。床に置いたり、いすに座らせたりするとすぐに泣くのです。しかも「立っち抱っこ」でないとだめ。
夜8時以降、何度もマヤを眠らせようと頑張りました。寝室へ入って電気を消し、子守唄などを歌って、ゆっくり揺らしながら抱っこするのです。20分もするとMはうとうとします。ところが、布団の上に置くと、どうやってもすぐに起きてしまう。
Mが寝ないから、KとAも寝つきません。寝巻に着替えさせ、歯も磨かせたけれども、なしのつぶて。結局、3人とも起きたままで夜10時を過ぎました。そこでようやく妻が帰宅。マヤは母親の胸に顔をうずめ、瞬く間にすやすや。
これで長い1日がようやく終わりました。やれやれと思っているうちに、わたし自身もいつの間にか寝入ってしまいました。仕事のことを忘れたままで。
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