先日、長女Kの小学校で幼稚園(kindergarten)のオリエンテーションがありました。こちらの幼稚園は小学校の1部だから、小学校が主催します。
このオリエンテーションに参加したのは、長男Aが今年の9月から幼稚園に入る予定だからです。アメリカでは幼稚園は小学校入学前の1年間だけです(日本では幼稚園は普通3年間)。
アメリカらしく、オリエンテーションもくだけた雰囲気で進みました。父母はクッキーやコーヒーを手にしながら、学校側の説明を聞き、その後は複数に別れて校内を見学。わたしのグループの場合、案内役は小学校5年の女の子2人でした。
学校側の説明が終わり、質疑応答になった時、父母から「学校の敷地内にはだれでも出入りできます。危険ではないですか? 何か対策はあるのでしょうか?」との質問が出ました。
確かに、アメリカは日本よりも治安が悪いから、学校の敷地には何も囲いがないのはちょっと不思議でした。クレアモントは大学町であり、比較的治安が良いとはいえ、校庭やトイレなどにだれでもアクセスできてしまうのです。
それに対して、校長のミズ・アローチャは「ここは公立学校(パブリックスクール)です。つまり、校舎や校庭は公共施設(パブリックプロパティー)ですから、公(パブリック)に開かれているべきです」と説明しました。
これには「なるほど、そう考えるのか」と思わず納得してしまいました。
ミズ・アローチャはまた、児童がトイレの際は安全かどうかと問われ、「幼稚園の教室は2室あります。一方には室内にトイレがあり、1人で行きます。もう一方には室内にトイレがありません。外のトイレを使います。その際、必ず大人が一緒に行くようにしています」
治安が良い日本では学校は塀で囲われているというのに、治安が良くないアメリカで学校は囲われていない――。そんな違いが出てくる背景には「パブリックスクールはパブリックプロパティ―」という考え方があるわけです。
だからでしょうか、父母も学校で積極的にボランティア活動を展開しています。毎週学校で子供たちの本を読んであげたり、工作を手伝ってあげたり。ちなみに、妻は昨年、Kの先生が不在の日に、代役として折り紙教室を主催しました。
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