8本もの虫歯が見つかった長男A。1回ごとに2本ずつ治療してもらうことになり、きょうが第1回目。午前中に保育園へAを迎えに行き、そのままドクター・キムの所へ直行しました。ママが作ったそぼろ弁当は車の中で食べました。
「これから歯医者に行くけれども、痛くないから大丈夫だよ。おりこうさんでいられたら、歯医者の後はブロックバスターに行ってビデオ借りよう」
「スクービードゥーとトランスフォーマーがいいな」
いつもよりも早く保育園に迎えに来てもらえたうえ、ビデオレンタル店に行けると分かり、Aは大喜び。そぼろ弁当もあっという間に食べ終えました。本当は生まれて初めて麻酔をかけられ、歯根の治療をされるのですが、そんなことはつゆ知らず。とりあえず作戦成功です。
実際に治療が始まると、さすがに不安になってきたようです。無理もないです。注射で麻酔される際には目をつぶり、注射針を見なかったとはいえ、麻酔で片方のほおがしびれているのです。生まれて初めての感覚に不安を覚えないはずがありません。
治療中、わたしはずっとAの手を握っていました。時々「大丈夫だよ。そばにいるから。すぐに終わるよ」などと声をかけ、安心させようと心がけました。それが功を奏したのかどうか分かりませんが、Aは泣きもせず、ずっとじっとしていました。
ドクター・キムも、演技かもしれませんが、びっくりした様子を見せました。治療しながら「強い子だね。ぼくは君みたいな子が大好きだよ」などと言っていました。ドクター・キムの「はい、口を開けて」といった指示などにAはちゃんと従っていました。英語はしゃべらないけれども、理解していたのです。
当初、ドクター・キムは「この歯にはかなり深い穴が開いているから、神経を抜かなければならないかもしれません」と危惧していたのですが、結局、神経は抜かずに治療は終了。ドクター・キムのほか何人かの職員も「よく頑張ったね」と拍手してくれました。
ドクター・キムは「これだけ頑張ったのだから、ガチャガチャ2回分に値するね」と言い、Aに「さあ、ハイファイブ!」と一言。ドクター・キムとAはお互いに右手を上げて、パチッと打ち合わせました。ハイファイブは、見事なプレーなどに対して喜びを示す際のしぐさです。
ガチャガチャとは、コインを入れてガチャガチャと音を立てながらダイヤルを回すと、おもちゃが出てくる箱のことです。ドクター・キムの歯医者では、この箱がいくつか置いてあります。治療を終えた子供がコインをもらい、通常は1回ガチャガチャすることができるのです。
Aはガチャガチャを2回できて満足げ。箱から出てきたのは「ボディペタシール」でした。英語では「タトゥー」です。早速、トイレの洗面所でボディペタシールを両腕に張りました。
この日は日中、Aを歯医者やビデオレンタル店に連れて行き、仕事の時間をほとんど確保できませんでした。でも、Aが歯の治療を無事終えられたのです。それだけでも達成感があります。
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