次女が通う教会系保育園が2月13日の土曜日、バレンタインデーに大人が外出できるように、子供たちを預かってくれました。園児ではない小学生もOK。規制に縛られた日本の公立保育園では決してまねできないですね。
これは「ペアレンツ・ナイト・アウト」と呼ばれるエベントです。保育園が保護者のために提供するサービスというよりも、保育園が保護者から寄付金を集めるための一環です。夕方6時から夜10時までが保育時間で、子供1人目が30ドル、2人目以降が15ドルでしたが、あくまで「目安(suggested price)」。これより多くてもいいし、少なくても構いません。現金の代わりに食べ物を寄付するのでも大丈夫です。
わが家では長女と長男も含めて3人預かってもらい、目安通りに合計60ドル寄付しました。それに加えてギョウザやコロッケなどの揚げ物を提供しました。保護者が持ち込む食べ物が子供たちの夕食になるのです。保育士たちは「とてもおいしかった!」と口をそろえて喜んでくれました。
わが子たちも大喜び。園内には大きなテントがいくつか張られ、子供たちが遊べるような工夫がしてありました。それにおいしそうな食べ物! みんな手作りです。帰り際には子供1人ひとりに小さな赤い箱が配られました。箱の中には、保護者代表のジャネルが作ったクッキーが入っていました。
こんなイベントだと「長男がお世話になり、次女が今通っている保育園のためになれば」という気持ちになります。ジャネルもそんな気持ちでクッキーを作ったのでしょう(ジャネルの息子デイブは今は幼稚園ですが、保育園時代にわが息子と同じクラスで友達でした)。寄付の文化が根付いているアメリカならではのイベントです。
もちろん、大人にしてみれば「保育園のために協力できた」という気持ちになれるだけでなく、夕食の時間帯に解放されてバレンタインデーを楽しめます。一石二鳥というわけです。
わたしはレストランで妻と軽く食事を済ませたうえで、ワイン、サルサ、チップス、チーズを買い込んで帰宅。そして、映画『サイドウェイ』を一緒に見ました。夕食時はいつも子供の夕食や風呂、寝かし付けで忙しく、目が回るほど。夕食時に夫婦2人で自宅でゆっくりDVDを見たのは、アメリカに来てから初めてだと思います。
以前にも書いたように、『サイドウェイ』の舞台であるサンタバーバラのワインカントリーを一度訪ねたことがありました。この映画を見るのは2回目でしたが、1度現地を訪問したうえで見るとまったく違った意味で楽しいです。「あのハイウェイは走ったね」「あのワイナリーは行ったね」といった会話ができたからです。
子供も大人も楽しめ、しかも保育園は寄付金を集められた--。なんともうまくできた仕組みです。夜10時まで子供たちの面倒をみてくれた保育士たちに感謝しなければなりません。