先週、小学1年生の長女Kがローラーブレードをゲットしました。買ってもらったのではありません。「ビーバック」という通貨を使い、自分で買ったのです。写真は中庭でローラーブレードを履いて遊ぶKです。
ビーバックは長女のクラス内だけで通用する通貨です。担任のミセズ・ビーが自分の名前とハチをひっかけて命名した通貨です。
スペリングテストで100点をもらったり、絵本を上手に読んだり、宿題をきちんと出したり――。こんなとき、ビーバックをもらえるます。ビーバックで買える品物はクラス内に置かれ、値札も張られています。Kは前代未聞の600ビーバックもため、新品のローラーブレードを買ったのです。
種明かししておくと、Kがローラーブレードを買えたのは、事前に仕組まれていたからです。K本人は、そのことを知りません。
ちょっと前のことですが、ミセズ・ビーから内々に「Kにぜひローラーブレードを買ってほしい。親からもローラーブレードを買うよう促してもらえると助かります」と言われていたのです。どうやらこのローラーブレードは、ミセズ・ビーが感謝の気持ちを込めてKのために特別に用意したプレゼントであるようです。
近所のディスカウントストアでチェックしたら、同じ型のローラーブレードは30ドルで売られていました。クラス内にある品物はすべてミセズ・ビーが個人的に用意した物ばかりです。ということは、ローラーブレードはミセズ・ビーがポケットマネーから30ドル出して、Kのために買ったということです。
Kはクラスの中でビーバックを一番ためているようです。一番欲しい物を手に入れるまで辛抱する性格なのです。Kに聞いてみました。
「600ビーバックためた子はKだけと聞いているけれども、500ビーバックとか400ビーバックためる子はいる?」
「ううん。みんなすぐに買っちゃうからたまらないの。2番目にたくさんためのたはビンス。200ビーバック」
つまり、ミセズ・ビーはKにしか買えないような値段を付けて、ローラーブレードを用意したわけです。そもそも、ローラーブレードを買う前に「今何か欲しい物はある?」とKに聞き、意向を確認していました。
Kは先日、学校のフィールドトリップ(校外学習)でスケートリンクへ行き、ローラースケートに魅せられました。それ以来、ずっと「ローラースケートが欲しい」と言い続けていました。それだけに、ローラーブレードをゲットできて、飛び上がって喜んでいました(なぜかローラースケートではなかったのですが、結果的にローラーブレードで良かったです)。
ローラーブレードを手に入れてから、毎夕、2時間は必ず練習しています(というか、ローラーブレードを履いたまま2時間遊び続けています)。幸い、集合住宅の中庭は練習場所としてぴったりです。車が行き来しないから安全。しかも、歩行者用のアスファルトが庭中に張り巡らされていて、ちょうどいい具合なのです。
Kは最初は不安定で、親が手をつないでやらないと歩けませんでした。それが、たったの1週間でスイスイ滑れるようになっています。この調子でいくと、数カ月後にはとんでもなく上手になっているのでは、と期待してしまいます。ビーチ沿いのサイクリングコースに連れて行ったら、きっと喜ぶでしょう。
ところで、ミセズ・ビーはなぜKに特別に感謝したかったのでしょうか。その答えは、あす(6月5日)にあります。Kはすでに国語賞を授賞していますが、今度はより特別な校長賞を授賞するのです!
昨年9月に入学した当初、文字通り一言もしゃべれず、涙の毎日が続いたK。ミセズ・ビーからは「Kがショックを受け、手に負えません。すぐに学校に来てください」と何度も電話がありました。ミセズ・ビーは「大変な子が受け持つことになってしまった」と嘆いていたのではないかと思います。
そんなKが1年足らずでぐんぐん成長し、国語(英語のこと)でも上位の成績を出す自慢の教え子になったのです。ミセズ・ビーはKのことをわが子のように誇りに思っているのかもしれません。
Kちゃんの校長賞受賞おめでとうございます。すごい成長なんですね。
おそらくKちゃんは買い物と一緒で本当にほしいものに対してひたむきに頑張るんでしょうね。素晴らしいと思いました。
投稿情報: tadao | 2009年6 月 6日 (土) 02:27
ありがとうございます。子供は厳しい環境に放り込まれてもたくましく成長していくものだとつくづく思いました。
投稿情報: Yo Makino | 2009年6 月 6日 (土) 03:30